小型底引き網漁でとれるおさかな紹介 高級魚編

 小型底引き網漁では海底付近の生き物を一網打尽にするため実に多種多様な魚が漁獲されますが、実は時期によってとれるものも大きく変わります。
 今回はその中でも市場で高値の付く獲れたらうれしい高級魚をご紹介します。


水だこ

最初から魚ではないですが、夏の時期網に最も入ってくるのは水だこです。
タコがたくさん入ったときはタコの中に魚が埋まっているような状況になります。サバやカナガシラといった魚はタコの触手にからめとられていて選別の時に引きはがすのに一苦労です。 水だこは全体的に魚が安くなる夏の時期でもある程度の値が付くため網を引く速度を調節してタコを狙って取ります。


アンコウ

アンコウは冬の魚のイメージですが夏の時期もよく取れます。
体長1メートルにもなる巨大サイズは珍しくもないですがそれでも冬の魚ということでなかなかいい値はつきません。 このアンコウの特徴は何といっても大きな口で、よくイカやサバといった魚を口にくわえた状態であがってきます。くわえている魚を取ろうと迂闊に手を近づけると鋭い牙のある口で噛みついてくるため、油断していると手袋をも貫通してけがをする危険があります。


ヒラメ

ヒラメはいわずと知れた高級魚で網に入ると最もうれしい魚の一つです。
底引きでは1メートル近いサイズが入ることも珍しくなく、特に生きたまま市場に出すと活魚として倍近い値段で売ることができるため、網をあげると漁獲物の中から真っ先にヒラメを探し出して急いで活魚水槽に入れます。


はも/アナゴ

アナゴのことを石巻では“はも”と呼びます。
アナゴもヒラメと同じく活魚として高く売れる魚です。細長い独特の魚体とぬるぬるとした体表が何よりの特徴であり、選別の時もつかんだ手からぬるぬると逃げ出す厄介な存在です。 活魚水槽に入れていても帰港したときにはどうしても数匹死んだ個体がいます。水揚げから競りまでの時間生きた個体と死んだ個体を同じタンクに入れておくと生きている個体まで死んでしまうため水揚げの時点で死んだ個体をより分ける必要があります。


マトウダイ

マトウダイは日によってまとめて漁獲されたり全く網に入らなかったりと漁場により変動のある魚です。
扁平な魚体にひときわ目立つ的のような斑点が特徴です。魚体は小さいものでも30センチはあり、特に背びれを伸ばすと体高と同じくらいに伸びます。


ホウボウ

ホウボウは深緑色の胸鰭が鮮やかな魚です。網に入る数は少なく一日の操業で1~3匹が普通です。よく似た魚にカナガシラがいますが、こちらは対照的にほとんど値が付かない未利用魚です。

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